「31601F・31401F」転属
2011年1月26日、30000系6両固定編成1編成と4両固定編成1編成の計2編成が、南栗橋車両管区春日部支所より、転属のため回送されました。31601F・31401F共に平成8年に落成され、東武伊勢崎線に配置された車両です。
30000系は東上線初入線となります。
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31601F・31401F転属回送の撮影をされた方がいらっしゃいましたら、ぜひ、ご投稿ください。
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東武伊勢崎線での活躍
31601F
31401F
電気機関車回送
今回の回送は秩父鉄道の電気機関車による牽引となるため、秩父鉄道の車両基地より電気機関車が回送されました。
なお、8000系の入出場や転属の際は秩父線内を自力走行、10000系の転属の際は8000系による牽引が行われます。
デキ505号機が担当しました。デキ505号機は、51009Fの甲種輸送も担当しています。
羽生駅
羽生駅にて電気機関車を待つ30000系
浅草方より31601F+31401Fの組成で停車していました。
電気機関車との連結@羽生駅
秩父鉄道の電気機関車と30000系の連結が行われます。入換の指示は東武鉄道の職員(羽生駅)、車両の運転は秩父鉄道の職員の手により行われます。
回送の機関車が引上線に近づきます。
踏切付近で一旦停車。
30000系手前で再停車。
係員による手旗合図を受け、連結。
連結後、後退して状態が確認されました。
続いてブレーキ管が接続され、ブレーキ試験が行われました。
発車待ち
引上線にて発車を待ちます。
引上線の有効長が機関車+30000系10両よりも短いため、踏切にはみ出しての停車です。このため、車両の入換から発車までの間1時間弱、踏切が締め切られました。
なお伊勢崎線用の50050系車両搬入の際は、推進で車両を押し込み次第機関車が切り離され、踏切は開放されます。
秩父線内
寄居駅
後続列車の発車を待つために停車中。
一度、波久礼駅方に引き上げます。
折り返し、2番線脇の線路に転線し、いよいよ東上線へ。
森林公園検修区への回送に向け 、準備が行われます。
回送用機材
今回の回送、30000系は無通電状態で行われました。これにあわせ、各所に改造が施されています。
連結器
30000系は密着連結器(電気連結器つき)を使用しているのに対し、牽引を担当する秩父鉄道の電気機関車は自動連結器を使用しています。双方を連結するためには、簡易連結器を使用するか連結器ごと交換する必要がありますが、今回は連結器の交換でした。
なお、連結器は機関車と連結する最下り方の車両のみの交換で、中間部と最上り方の車両は通常のものを装備しています。
反射板
通電状態であれば、車両の電気により尾灯を点灯させることができますが、今回は無通電状態のため、31601号車に尾灯の代わりに反射板が取り付けられました。
なお、尾灯や反射板は後部標識と呼ばれる列車の最後尾を示す標識で、省令上は昼間の運行であれば省略することができるようです。(50000系の甲種輸送では取り付けられないことがありました。)
車両前面の手すりに固定されています。
ブレーキ
30000系は電気指令式のブレーキが使用されているのに対し、電気機関車は自動空気ブレーキが使用されています。電気指令式ブレーキはブレーキの強弱を指令線の電圧変化や加圧状態の変化を用いて調整し、自動空気ブレーキはブレーキの強弱を列車に引き通したブレーキ管の圧力変化を用いて調整します。それぞれ、互換性はありません。
今回は、30000系のブレーキを自動空気ブレーキで使用するための改造が行われました。
連結面から車内にブレーキ管が引き込まれます。
各車両にはブレーキ管が引き通され、そのブレーキ管には読み換え装置(貨車の三動弁に相当するものと思われます)が接続されています。これにより、ブレーキ管の圧力変化に応じた圧縮空気が台車のブレーキシューに送られます。
読み換え装置から出力されたブレーキ用空気は、各車間連結面幌の隙間から床下に下ろされます。
床下に下ろされたブレーキ用空気は、上り台車・下り台車に分岐し、それぞれで電気指令式ブレーキからの圧力空気との切り替えコックを通り、台車に送られるようです。
床下の空気タンクも配管変更が行われていました。黒い部品とそれをバイパスする配管・コックが取り付けられています。
参考文献
- "プロが教える電車のメカニズム"(谷藤克也,ナツメ社,2011)
- "鉄道のしくみと走らせ方"(昭和鉄道高校編,かんき出版,2007)
- 鉄道ダイヤ情報連載"Dr.AZUSAの「電車基礎講座」"(梓岳志,交通新聞社)
- 鉄道ピクトリアル臨時増刊号"【特集】東武鉄道"(電気車研究会,2008)
- 鉄道に関する技術上の基準を定める省令
- 各種Webページ(連結器、ブレーキ装置関連)
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